2013年6月26日水曜日

炭水化物抜き、夜トマト――検証! 話題のダイエット法はホントに痩せられるか?

woman Type さんの記事です。

流行のダイエット法は栄養士から見ると落とし穴がたくさん。効果的なポイントを上手に取り入れたいもの
朝バナナダイエット、油抜きダイエット、キャベツダイエット――メディアで話題になるダイエットは数えきれないほど。一度は試したことがある人も多いのでは。

ダイエットWebサイト『あすけん』の管理栄養士として、これまで多くの方のダイエットをお手伝いしてきた中で驚いたのは、流行のダイエット法をどれもチャレンジしたという方がたくさんいらっしゃったこと。しかし、いろいろなダイエット法を試してみても、あまり効果がなかった、リバウンドしてしまったという人が多かったのです。

ダイエットの基本は、やはりバランスの良い食生活と適度な運動です。今回は、最近流行のダイエット法を3つピックアップして、栄養士視点での検証とさらに効果を上げるためのコツをご紹介します。


【低炭水化物ダイエット編】

検証! ホントに痩せられる?

この1~2年ほど大流行しているのがこの低炭水化物ダイエット。私の身近でもこのダイエット法をしている人がたくさんいます。

低炭水化物ダイエットでは、通常1日に摂取する炭水化物の量200~300gを20~40gに制限します。糖分の代わりに脂肪やたんぱく質がエネルギーとして使われる状態にすることで、肥満を解消するダイエット法です。

炭水化物を20~40gというと、いわゆる主食の炭水化物を抜くだけでなく、お菓子やアルコール、天ぷらなどの揚げものの衣や調味料の砂糖もNG。かなり厳しい制限が必要になります。また、炭水化物を20~40gに制限すると体に下記のような症状が起こる恐れがあります。

・頭がボーっとして集中力がなくなる
・イライラしたり疲れやすくなったりなる
・筋肉が減り体温が下がる

長期的に考えると、とても体に負担をかけます。本格的に取り組みたいならば、医師の指導を受けた方が安心です。

もし自己流でやる場合は、もっとゆるく「夕食の主食を抜く」くらいの方法のほうが長続きするのでオススメです!

例えば
・夕食のごはんなどの主食を半分にする、もしくは抜く
・ごはんを半分にして玄米に変える
このようなちょっとしたことでも、ダイエット効果が得られます。

炭水化物は最低でも1日130g程度(ごはん100gで37.1g)摂るようにすると、体への負担を軽減することができますよ。

 

 

検証! ホントに痩せられる?

【夜トマトダイエット編】

朝バナナダイエットに続く「○○だけダイエット」法の一つ。夜トマトダイエットの一般的な方法は、トマトを生ならば2~3個を食べる(トマトジュースなら350mlを2~3本程度)というものです。

確かに、トマトは栄養豊富で健康に良い優秀な野菜です。

トマトには、リコピンやビタミンAをはじめとするビタミン・ミネラルが豊富に含まれます。特にリコピンには強力な抗酸化作用があり、老化や病気の原因となる活性酸素を除去してくれる作用があります。美肌効果も期待できるなど、女性にとってもうれしい効果がたくさんあります。

《トマトのリコピンやβカロチンの吸収率をアップする方法》

・トマトを加熱してリコピンの吸収率が高める
 →リコピンは、熱を加えると吸収率が高まります。スープやグラタンなどトマト料理にして食べてみましょう。

・生のトマトはオリーブオイルをかけて食べる
→リコピンやβカロチンは油に溶ける脂溶性栄養素。少量のオリーブオイルと一緒に食べることで吸収率がアップします。

ただし、トマトがいくら優秀な食材だったとしても、トマトさえ食べていれば、ほかの食事は何を食べていても痩せられるというものではありません。

○○だけ、ではなくいろいろな食材をバランス良く食べることで食事・栄養バランスが整い、健康的なダイエットにつながるということを覚えておいてくださいね。

無理をしてたくさんのトマトを食べなくても、食前に1個食べるだけでも満腹感が高まり食事の食べ過ぎを防ぐことができます。

トマトも野菜料理の1品と考えて、ゆっくり噛んで味わってから、メイン料理、ごはんと食べる順番を意識するだけでもダイエット効果は得られそうですね。



検証! ホントに痩せられる?

【アミノ酸ダイエット編】

スーパー・コンビニなどの店頭では「脂肪を燃焼させる」というキャッチフレーズでアミノ酸飲料やサプリメントが販売されています。このアミノ酸ですが、ただ飲むだけでは脂肪が燃焼されないことをご存じでしょうか。

アミノ酸の脂肪燃焼効果が発揮されるのは、運動と組み合わせたときに限ります。つまり、アミノ酸を摂取しただけでは脂肪は燃焼されません。

アミノ酸を体内に取り込むと、脂肪分解酵素のリパーゼが活性化されて脂肪が分解されるのですが、その脂肪を燃やすためには運動、できれば30分以上の有酸素運動が必要なのです。

「ダイエットに効きそうだ」「脂肪が燃えそうだ」という先行したイメージで効果を期待してアミノ酸飲料を飲み過ぎると、逆に糖分の摂り過ぎにつながる場合も。くれぐれも飲むだけで痩せる、という誤解をしないようにしてくださいね。

繰り返しになりますが、ダイエットの基本はバランスの良い食事と適度な運動。ダイエットに近道はないということをちゃんと理解した上で、流行のダイエットの良いところを取り入れてみてください。



_____________
【企画・執筆】
ダイエットサイト『あすけん』事業統括責任者 管理栄養士
道江 美貴子
女子栄養大学栄養学部卒業後、管理栄養士としてより多くの人に「健康を維持できる食事」を届けたい、
そんな思いで、社員食堂運営会社大手(株)グリーンハウスに入社。100以上の社員食堂をまとめるスーパーバイザーを務めながら、健康増進メニューの作成・健康セミナー・カウンセリング等を行う。2007年、新規事業である『あすけん』の事業立ち上げに参加。あすけんは、食事を記録すると自動で管理栄養士のアドバイスがもらえるウェブサービス(会員13万人)。現在は同サイトの事業統括責任者を務めるかたわら、テレビ出演や雑誌の栄養監修等、幅広く活躍中